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五香のつぶやき

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ハンカチ王子引退

2010年日本ハムファイターズドラフト1位入団、早実→早大卒のハンカチ王子こと
斎藤佑樹投手が今年限りで引退を発表した。

2006年夏の甲子園決勝では駒大苫小牧高のエース田中将大と互角の投げ合い
延長戦再試合で勝利をおさめ全国制覇したのももう15年前の記憶となる。

その時の尻ポケットから出す青いハンカチで顔を拭く姿がかわいらしく爽やかな
イメージからハンカチ王子と呼ばれるようになった、当時のスター球児である。

準優勝投手田中は高校卒業後楽天イーグルスに入団、斎藤は早大進学後も
通算成績31勝を挙げ、マスコミの注目度も相変わらずであった。

日ハム入団、即一軍での1年目は6勝で2年目は5勝と形としては一応
5・6番手投手の居場所から上昇していく期待もあったが、11年の現役で
通算15勝26敗であったことを見るとケガに泣かされたと言えども今まで
よく引退せずに堪えたなと思う次第であります。

残りの9年間で4勝とはケガで仕方ない部分もあるが、まさしく客寄せパンダで
マスコミからもいじられ、発表後のインタビューを聞いていても重荷が取れ
何かホッとしたような顔つきでした。

斎藤は早大入学後の活躍中ではあったが、同校OBの元ヤクルト・元西武監督の
広岡達郎さんのアドバイスに対し自分にはできませんときっぱり断っていたと
言うエピソードを聞いたことがあります。

プロ野球で優勝請負人と言われた野球界では特別な人の助言にも
きっぱり断る自分に対する信念を持っていたのだ。

プロに入っても元監督の西本御大の忠告も聞き入れず我が道を行くスタイルを
貫ぬいた投球フォームから肩を壊す・球速が落ちる・変化球に頼る・打たれる
という当たり前の道を進んでしまったところから、その信念は単なる
過信であったと言うことである。

高校卒業後すぐにプロに入ったら活躍したかどうかは論ずることではないが、
この性格じゃ多分ダメだったろうね。

星野仙や広岡が監督だったらそうはいかなかったとも思うが、プロに入った以上
自分で努力する気持ちが大事で、やらされるのではなく自分に鞭打ってやる
ものである。

メジャーリーグに行って尚も活躍した田中は、高校野球はあくまで過程でしかなく
野球人としてプロに入って稼いで一人前であり、高校野球で優勝しても思い出だけ
にしかならないと割り切っていたのだと感じている。

それに楽天で野村さんとの出会いもプロの心得や勝ちにこだわる気持ち、
今やらなければいけないことなどを習得し糧にしたのではないかと想像する。

高校時代のライバルでありながら対照的な境遇を甘受したこの二人を見比べると
常に物事は移り変わる、おごり高ぶり勢いのある人でもそれは長くは続かず
最後は滅びてしまうという教え・・・平家物語の一説 祇園精舎の鐘の音・・云々
を垣間見たようである。

ハンカチ王子の引退に現在解説者で元日ハム投手コーチとして指導した
黒木さんは感慨深くコメントしました。

『引退を発表できる選手はこの世界にはほとんどいない。活躍した人・
チームに貢献した人にその権利がある だからアッパレをあげてください』

このコメントはボクも同感であります。

 岡田 純