大横綱白鵬相撲協会を去る
史上最高勝利数1187勝で幕内優勝45回の大横綱白鵬が6月9日付で
日本相撲協会を退職する。
現役で横綱になって円熟期を過ぎた頃からは、協会から横綱の品位や
立ち合いに苦言を強いられた。
立ち会いに張り手や肩から当たるかち上げに対してであるが、元理事長の北の湖も
立ち会いのかち上げで一瞬のうちに土俵際へ追いやり寄り切っていた。
当時の立ち合いで両手をつくまでうるさく言わなかったので、闘牛のような
突進で瞬殺してしまい技術を要するような勝ち方の美意識は無かった。
今では相手としっかり見合って両手をついての立ち会いとなり、立ち合いまでの
所作は断然綺麗になっている。
張り手に関しては番付の階級社会で格下の者が最高位の横綱にいきなり
張り手とはいかないので横綱は張り手は自嘲するべきではあるが、
白鵬の父親はモンゴル相撲の横綱でモンゴル初のオリンピックメダリストであり
国民的英雄、その父親の祖国での取り扱われ方と角界の最功労者と謳われた
大横綱である自分と格差に不満があったのではなかろうか。
ただ現役を退いて外から相撲を見ることで時間をかければ自ずと強いだけでなく
相撲道の美意識や横綱たる品格が解ってくるものだと思う。
それは相撲界に金字塔を立てた白鳳に対するリスペクトであり
外国からも優れた人材を集めていくなら協会には必要不可欠な人物である
ので理事長自らが誠意をもって膝を割り話し合うべきではなかったか。
外国出身者であり今回の騒動は見方によって国外からは嫌がらせや差別的に
見られる可能性もないとは言えないので、はっきりした理由とこれから
グローバルな相撲界を展望して行こうとする白鵬に対して絶大な協力を
示した方が良いでしょう。
岡田 純