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五香のつぶやき

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涙のレース

4月14日中山競馬場で行われた皐月賞は17頭立てで行われ、
単勝2番人気 戸崎圭太騎手鞍上のジャスティンミラノ号が
レースレコードの1:57:1で優勝した。

スタートから1000mのラップが57秒台の超ハイペースで展開したレースとなり
4コーナーを回わった残り直線293mに各馬が勝負をかける。

先頭から5番手と絶好のポジションを取ったミラノ号は、一気に加速し
中山競馬場の難所といわれる急坂に入った辺りでハナに立つ。

そこに後ろから猛追するコスモキュランダ号 鞍上は先週のG1桜花賞で優勝を
手にしているモレイラ騎手が必死に鞭を打つが首差足らずでレースは終わった。

このレースは競馬ファンや関係者がいつもと違う格別な思いで見ていた。

喜び一杯のはずの圭太騎手は嗚咽をこらえながら、優勝インタビューにて
『最後に康太が後押ししてくれた』とコメントした。

康太こと 藤岡康太は通算重賞22勝 その内G1レース2勝で まだまだ
伸びしろのある35歳、中堅どころの騎手であった。

その康太が4月6日の阪神競馬場のレースで落馬し、頭と胸を打ち
病院に搬送され意識が戻ることなく10日に亡くなってしまったのだ。

皐月賞に向け調整するミラノ号を2週前、1週前と稽古をつけていたのが
亡くなった藤岡康太騎手です。

康太の兄 佑介も同じ競馬騎手で兄弟二人で落馬により大ケガすることもあるし
死も覚悟しながら騎乗しなければならないとはよく話をしていたそうで、
突然の死は仕方がない事だとして悲しむ家族や親類の中では自分なりには
受け入れられたと言う。

だからこのレースの思いは弟の死ではなく、最後に稽古をつけた馬が
皐月賞という大舞台で勝ったものとして受け止めたいと思ったと

よく康太と一緒にいたという浜中俊騎手は、前走5馬身差ぶっちぎり勝利の
4番人気メイショウタバル号に跨り、前走の通りスタートからハナに立ち
最後まで大駆けを仕掛けたが、3歳馬最高峰の一つの壁は厚く
しんがりに終わってしまった。

浜中騎手は馬券内に入って天国の康太に花を手向けたいと思っていたであろうが、
実力馬だけが集まるレースではそう甘くはいかなかった。

藤岡康太騎手は昨年はキャリアハイの63勝しており、今年は既にそのペースを
上回る28勝を挙げていた。

これからというのに皐月賞が終わり大事なものを失った寂しさが残ります。

 岡田 純